C言語でEV3開発(12)
opOUTPUT_TIME_POWERコマンド
どもです。
今回のエントリーでは、これまた前回に引き続き、モーターを動かすためのコマンドについて書きます。
コマンドは、「opOUTPUT_TIME_POWER」です。
1.opOUTPUT_TIME_POWERコマンド
今回紹介するコマンドです。
コマンドのフォーマットは、以下の通りです。
インデックス | 内容 | 値の範囲 |
---|---|---|
1 | コマンドコード | opOUTPUT_TIME_POWER(0xAD) |
2 | チャンネル | |
3 | パワー(Power) | -100~100(%) |
4 | Time1 | Powerに達するまでに要する時間(ミリ秒) |
5 | Time2 | Powerで動作させる時間 |
6 | Time3 | 出力を0(%)に戻すまでに要する時間 |
7 | ブレーキ | 0=ブレーキをかけない 1=ブレーキをかける |
コマンドフォーマットから見て予想できるかと思いますが、このコマンドの動作と非常に似た動作、というか、ほとんど同じ動作をします。
すなわち、Time1~Time3に示した「時間」ごとにモーターを動かします。
このとき、Time1で指定した時間をかけて、Powerで指定したモーターのパワーを遷移させます。
次に、Time2で指定した時間、Powerで指定したモーターを動作させます。
最後に、Time3で指定した時間をかけて、モーターの出力を0に戻します。
2.サンプルコード
というわけで、opOUTPUT_TIME_POWERコマンドを使用してモーターを動かします。
サンプルプログラムは、以下の通りです。
#include <stdio.h>
#include <fcntl.h>
#include <stdlib.h>
#include <unistd.h>
#include <string.h>
#include <signal.h>
#include "lms2012.h"
#define CH_A (0x01)
#define CH_B (0x02)
#define CH_C (0x04)
#define CH_D (0x08)
// モーターのポート名
#define PWM_MOTOR_PORT_NAME ("/dev/lms_pwm")
typedef unsigned int UINT;
typedef signed int SINT;
//typedef unsigned char UBYTE;
//typedef signed int SBYTE;
typedef void VOID;
// モーターのファイルディスクリプター
SINT motor_fp;
/*****************************************************************************/
/* */
/* モーターを動作させるための各種関数 */
/* */
/*****************************************************************************/
/*
* プログラムの開始
*/
int ProgramStart(void) {
UBYTE Buf[4];
int ret;
Buf[0] = opPROGRAM_START;
ret = write(motor_fp, &Buf[0], 1);
return ret;
}
/*
* プログラムの停止
*/
int ProgramStop(void) {
UBYTE Buf[4];
int ret;
Buf[0] = opPROGRAM_STOP;
ret = write(motor_fp, &Buf[0], 1);
return ret;
}
/*
* モーターの動作開始
*/
int MotorStart(UBYTE ch) {
UBYTE Buf[4];
int ret;
Buf[0] = opOUTPUT_START;
Buf[1] = ch;
ret = write(motor_fp, &Buf[0], 2);
return ret;
}
/*
* モーターの動作停止
*/
int MotorStop(UBYTE ch) {
UBYTE Buf[4];
int ret;
Buf[0] = opOUTPUT_STOP;
Buf[1] = ch;
ret = write(motor_fp, &Buf[0], 2);
return ret;
}
/*
* モーターのリセット
*/
int MotorReset(UBYTE ch) {
UBYTE Buf[4];
int ret;
Buf[0] = opOUTPUT_RESET;
Buf[1] = ch;
ret = write(motor_fp, Buf, 2);
return ret;
}
/*===========================================================================*/
/* */
/* 今回対象のopOUTPUT_TIME_POWERコマンドを実行する */
/* */
/*===========================================================================*/
int TimePower(
UBYTE ch,
UBYTE power,
UWORD time1,
UWORD time2,
UWORD time3,
UBYTE brake)
{
int ret;
size_t size;
TIMEPOWER timePower = { 0 };
timePower.Cmd = opOUTPUT_TIME_POWER;
timePower.Nos = (DATA8) ch;
timePower.Power = (DATA8) power;
timePower.Time1 = time1;
timePower.Time2 = time2;
timePower.Time3 = time3;
timePower.Brake = brake;
size = sizeof(timePower);
ret = write(motor_fp, (void *) &timePower, size);
return ret;
}
/*****************************************************************************/
/* */
/* メイン関数 */
/* */
/*****************************************************************************/
int main() {
UBYTE power = 100;
UWORD time1 = 3000;
UWORD time2 = 3000;
UWORD time3 = 0;
UBYTE brake = 1;
motor_fp = open(PWM_MOTOR_PORT_NAME, O_RDWR);
if (motor_fp < 0) {
printf("Can not open MOTOR PORT\r\n");
return (-1);
}
ProgramStart();
ProgramStop();
ProgramStart();
MotorReset(CH_D);
MotorStart(CH_D);
TimePower(CH_D, power, time1, time2, time3, brake);
sleep(15);
MotorStop(CH_D);
ProgramStop();
close(motor_fp);
exit(0);
}
3.動かしてみた
というわけで、実際に動かしてみた場合の動画です。
見てわかるように、モーターは最初ゆっくり動き始め、その後だんだんゆっくりになり、最終的に停止します。
コードにあわせて説明すると、モーターが動作し始めてからの最初の3秒(3000ミリ秒)間をかけて、モーターの出力を100%にします。
次の5秒(5000ミリ秒)間は、モーターを出力100%で動かします。
最後の3秒(3000ミリ秒)間で、モーターの出力を0%に遷移させています。
4.コマンドの注意点
このコマンドを使用する際には、注意点があります。
まず、回転方向の制御です。
これは、opOUTPUT_STEP_POWERの同様に、Powerで決定しています。
しかし、決定的に異なるのは、この値に負の値を設定した場合です。
opOUTPUT_STEP_POWERでは、負の値を設定しても回転方向は変化しませんでした。
しかし、opOUTPUT_TIME_POWERでは、Powerに負の値を設定した場合、回転方向が逆になります。
また、Powerに0を設定した場合です。
これは、やはり、理想的にはモーターが動作しないことです。
しかし、実際に動かしてみると、モーターは動作してしまいます。
原因は、opOUTPUT_STEP_POWERの場合同様、不明です。
次に、TimeNに設定する値です。
まず、Time1ですが、これは値を設定しない、すなわち0に設定する、ということが可能です。
0を設定した場合、いきなりPowerに設定した出力でモーターが動作します。
次に、Time2ですが、これも値を設定しない、すなわち0に設定することが可能です。
その場合には、もちろん「Powerで指定した出力で、一定時間動作する」ということはなくなります。
ただし、Time1=0、かつTime2=0、かつTime3!=0とした場合、モーターは動作しないので、注意が必要です。
最後にTime3です。
これも、値を設定しない、すなわち0を設定するということが可能です。
Time3に0を設定した場合には、Time1、Time2に対応する動作をした後、モーターが停止します。
以上、今回は、opOUTPUT_TIME_POWERコマンドについて書きました。
次回も、引き続きモーターを動作させるためのコマンドを紹介していきます。
では。
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