C言語でEV3開発(13)opOUTPUT_STEP_SPEEDコマンド
どもです。
今回のエントリーは、モーターを動かすコマンドである
「opOUTPUT_STEP_SPEED」コマンドについて書きます。
1.opOUTPUT_STEP_SPEEDコマンド
今回紹介するコマンドです。
コマンドのフォーマットは、以下の通りです。
バイト インデックス |
内容 | 値 |
---|---|---|
1 | コマンドコード | opOUTPUT_TIME_SPEED(0xAF) |
2 | チャンネル | |
3 | スピード | -100~100(%) |
4 | Time1 スピードに達するまでに回転する時間 |
0~4294967295(ミリ秒) |
5 | Time2 スピードで動作する時間 |
0~4294967295(ミリ秒) |
6 | Time3 スピードが0になるまでに要する時間 |
0~4294967295(ミリ秒) |
7 | ブレーキ | 0=ブレーキをかけない 1=ブレーキをかける |
このコマンドでは、コマンド名が似ていることもそうですが、コマンドフォーマット自体も「opOUTPUT_STEP_POWER」コマンドに似ています。
なお、基本的な動作は、opOUTPUT_STEP_POWERコマンドと同様で、Step1~Step3に設定したそれぞれの「角度」だけモーターが回転します。
すなわち、コマンドの動作が完了した際には、Step1~Step3に設定した値の分だけモーターが回転しています。
なお、単位は「°」です。
「rad(ラジアン)」ではないので、注意が必要です。
2.サンプルコード
というわけで、opOUTPUT_STEP_SPEEDコマンドを使用してモーターを動かします。
サンプルプログラムは、以下の通りです。
#include <stdio.h>
#include <fcntl.h>
#include <stdlib.h>
#include <unistd.h>
#include <string.h>
#include <signal.h>
#include "lms2012.h"
#define CH_A (0x01)
#define CH_B (0x02)
#define CH_C (0x04)
#define CH_D (0x08)
// モーターのポート名
#define PWM_MOTOR_PORT_NAME ("/dev/lms_pwm")
typedef unsigned int UINT;
typedef signed int SINT;
//typedef unsigned char UBYTE;
//typedef signed int SBYTE;
typedef void VOID;
// モーターのファイルディスクリプター
SINT motor_fp;
/*****************************************************************************/
/* */
/* モーターを動作させるための各種関数 */
/* */
/*****************************************************************************/
/*
* プログラムの開始
*/
int ProgramStart(void) {
UBYTE Buf[4];
int ret;
Buf[0] = opPROGRAM_START;
ret = write(motor_fp, &Buf[0], 1);
return ret;
}
/*
* プログラムの停止
*/
int ProgramStop(void) {
UBYTE Buf[4];
int ret;
Buf[0] = opPROGRAM_STOP;
ret = write(motor_fp, &Buf[0], 1);
return ret;
}
/*
* モーターの動作開始
*/
int MotorStart(UBYTE ch) {
UBYTE Buf[4];
int ret;
Buf[0] = opOUTPUT_START;
Buf[1] = ch;
ret = write(motor_fp, &Buf[0], 2);
return ret;
}
/*
* モーターの動作停止
*/
int MotorStop(UBYTE ch) {
UBYTE Buf[4];
int ret;
Buf[0] = opOUTPUT_STOP;
Buf[1] = ch;
ret = write(motor_fp, &Buf[0], 2);
return ret;
}
/*
* モーターのリセット
*/
int MotorReset(UBYTE ch) {
UBYTE Buf[4];
int ret;
Buf[0] = opOUTPUT_RESET;
Buf[1] = ch;
ret = write(motor_fp, Buf, 2);
return ret;
}
/*===========================================================================*/
/* */
/* 今回対象のopOUTPUT_STEP_SPEEDコマンドを実行する。 */
/* */
/*===========================================================================*/
int StepSpeed(
UBYTE ch,
UBYTE speed,
UWORD step1,
UWORD step2,
UWORD step3,
UBYTE brake) {
int ret;
size_t size;
STEPSPEED stepSpeed = { 0 };
stepSpeed.Cmd = opOUTPUT_STEP_SPEED;
stepSpeed.Nos = ch;
stepSpeed.Speed = speed;
stepSpeed.Step1 = step1;
stepSpeed.Step2 = step2;
stepSpeed.Step3 = step3;
stepSpeed.Brake = brake;
size = sizeof(stepSpeed);
ret = write(motor_fp, (void *)&stepSpeed, size);
return ret;
}
/*****************************************************************************/
/* */
/* メイン関数 */
/* */
/*****************************************************************************/
int main() {
UBYTE speed = 100;
UWORD step1 = 720;
UWORD step2 = 3600;
UWORD step3 = 720;
UBYTE brake = 1;
motor_fp = open(PWM_MOTOR_PORT_NAME, O_RDWR);
if (motor_fp < 0) {
printf("Can not open MOTOR PORT\r\n");
return (-1);
}
ProgramStart();
ProgramStop();
ProgramStart();
MotorReset(CH_D);
// opOUTPUT_STARTコマンドは、実効しない。
//MotorStart(CH_D);
StepSpeed(CH_D, speed, step1, step2, step3, brake);
sleep(5);
MotorStop(CH_D);
ProgramStop();
close(motor_fp);
exit(0);
}
動かしてみた
というわけで、実際に動かしてみた場合の動画です。
見てわかるように、モーターは最初ゆっくり動き始め、その後だんだんゆっくりになり、最終的に停止します。
4. コマンドの注意点
このコマンドを使用する際には、opOUTPUT_STEP_POWERのときと同様の注意点があります。
すなわち、回転方向はPowerの値で決定し、この値に負数を指定した場合には、モーターは逆方向に回転します。
たとえば、「-100」を指定した場合には、「出力100%、回転方向は逆」として認識されてしまいます。
また、Powerに0を設定した場合です。
これは、理想的にはモーターが動作しないことです。
しかし、実際に動かしてみると、モーターは動作してしまいます。
原因は、不明です。
次に、StepNに設定する値です。
ます、Step1には、必ず値を設定しなければなりません。
Step1に値を設定しなかった場合、モーターはきちんと動作しないようです。(というか、しませんでした。)
Step2、およびStep3ですが、Step1が設定してあれば、特に設定する必要はないようです。(実際に、値を設定しなくても、モーターは動作しました。)
また、次に記載する点がopOUTPUT_STEP_POWERコマンドと大きな違いです。
すなわち、コマンド実行前にopOUTPUT_STARTコマンドを実行する必要がありません。
いきなりopOUTPUT_STEP_SPEEDコマンドを実行した場合でも、モーターが動作します。
4.まとめ
以上、今回は、opOUTPUT_STEP_SPEEDコマンドについて書きました。
次回も、引き続きモーターを動作させるためのコマンドを紹介していきます。
では。
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