VisualStudioとCMakeでGoogle testをビルドする(1)

2021年2月13日

どもです。

今回のエントリは、google testのビルドについて書きます。

goole testについては、一度C言語でEV3開発(5)で書いています。
このエントリ、気が付いてみれば5年前のエントリです。
加えて、cygwin上で、ダウンロードしたコードをそのまま使用する、というあまりイケていない方法でした。
そこで今回は、最新のgoogle testをVisualStudioでビルドする方法について書きます。

1.開発環境

今回のエントリの開発環境は、下表になります。

項目 内容
OS Windows10 Pro(1909)
CPU i7-8700
メモリ 16GB
IDE VisualStudioCommnuity 2019
version 16.5.1

2.CMake

最新のGoogle testをVisualStudioで使用できるようにビルドするためには、CMakeを使用する必要があります。

2.1.CMakeの入手

今回のエントリで使用するCMakeは、コチラからダウンロードします。
エントリを書いている時点での最新版は「3.19.2」でした。
また、今回のエントリで必要なのはCMakeのバイナリのみで、ソースコードは必要ありません。
インストーラのみをダウンロードします。
具体的には、「cmake-3.19.2-win64-x64.msi」を入手します。
re_google_test_001_001
※「3.19.2」をインストールする際には、「3.4」よりも古いバージョンのCMakeは予めアンインストールしておく必要があるようです。
注意してくだしさい。

2.2.CMakeのインストール

ダウンロードが完了したら、インストーラ(.msi)をダブルクリックしてインストールを開始します。
インストールウィザードが起動/開始されますので、それに従って手順を進めます。
開始画面では、[Next]を選択します。
re_google_test_001_002
ライセンス同意画面が表示されるので、「同意する」チェックボックスにチェックを入れて[Next]を選択します。
re_google_test_001_003
次に、環境変数(PATH)に追加する/しないの選択画面が表示されます。
今回は、「現在のユーザの環境変数のみに追加する」を選択して、[Next]を選択します。
re_google_test_001_004
次は、CMakeのインストール先です。
これはデフォルトのままにして、[Next]を選択します。
re_google_test_001_005
インストール準備完了画面が表示されますので、[Install]を選択します。
re_google_test_001_006
インストールが始まりますので、完了するまで待ちます。
re_google_test_001_007
インストール完了画面が表示されたら、[Finish]を選択します。
これで、インストール完了です。
re_google_test_001_008

3.Google test

次に、Google testをビルドします。

3.1.Google testの入手

まず、Google testのソースコードを入手します。
Google testは、GitHubで公開されています。
これをcloneしてもよいのですが、今回はReleaseタグが付与されたリビジョンをZIP形式で取得します。
今回は、「Release-1.10.0」のタグが付与された版を採用します。
コチラのサイトから[Code]-[Download ZIP]を選択して、ダウンロードができます。
re_google_test_001_009
ダウンロードが完了したら、任意の場所に展開しておきます。

3.2.CMakeでビルド環境の構築

Google testのソースコードを入手したら、CMakeでビルド環境を構築します。
先ほどインストールしたCMakeを起動します。
起動したら、「Where is source code」にGoogle testを解凍したフォルダ内の「googletest」フォルダを指定します。
次に、「Where to build the binaries」に、前述の「googletest」内の「build」フォルダを指定します。
この「build」フォルダは、デフォルトでは存在しないので、予め作成しておきます。
入力が完了したら、[Configure]を押下します。
re_google_test_001_010
設定画面が表示されますが、特に設定を変更せずに[Finish]を選択します。
re_google_test_001_011
画面が閉じると、cmakeのconfigure処理が実行されます。
処理が完了すると、新規の設定内容が画面上に表示されます。
今回は特に何も設定せずに、[Generate]ボタンを選択します。
re_google_test_001_012
その結果、「Where to build the binaries」に設定した箇所にVisualStudioのソリューション/プロジェクトファイルが生成されます。
これで、VisualStudioの生成環境の構築は完了です。

3.3.VisualStudioでのビルド

VisualStudioのビルド環境が構築できたので、次は実際にビルドを行います。
先の手順で生成されたVisualStudioのソリューションファイル(gtest.sln)を開きます。
あとは構成(Debug/Release)を選択してビルドすれば、gtest.slnと同じ階層にlibフォルダ内にlibフォルダが作成され、その下に「構成」に対応したファイルが生成されます。
生成されるファイルは、以下の通りです。

Debug gtestd.lib, gtest_maind.lib
Release gtest.lib, gtest_main.lib

4.まとめ

今回は、久しぶりにgoogletestのビルドについて書きました。
VisualStudioでgoogletestができたので、次回はこれらを使用した単体テストプロジェクトの構築・実施について書こうと思います。

ではっ!