組込みエンジニアがWEBアプリ開発に挑戦してみた(5)
Linuxに開発環境をインストールする
どもです。
今回は、以下の内容の続きです。
- 組込みエンジニアがWEBアプリ開発に挑戦してみた(1)
環境のセットアップ - 組込みエンジニアがWEBアプリ開発に挑戦してみた(2)
環境の準備に向けて固定IPアドレスを設定する - 組込みエンジニアがWEBアプリ開発に挑戦してみた(3)
固定IPアドレスの設定 - 組込みエンジニアがWEBアプリ開発に挑戦してみた(4)
固定IPアドレスの設定(NetPlanの場合)
今回は、固定IPアドレスの設定の次のステップとして、VirtualBox上のLinuxに開発環境およびWEBアプリを実行するために必要なツールをインストールしてみます。
0. 作業環境
今回のエントリは、以下の環境で作業を行います。
CPU | Intel(R) Core(TM) i7-8700 CPU @ 3.20GHz 3.20 GHz |
---|---|
RAM | 16.0 GB (15.9 GB 使用可能) |
OS | Windows10 Professional 22H2(19045.5487) |
Virtual Box | バージョン 7.0.22 r165 102 |
ゲストOS | Ubuntu 24.04.2 LTS |
1. .NET SDKのインストール
まず最初に、Lixnu/Ubuntuに.NET SDKをインストールします。
そういえば、ここまで一度も書いていませんでしたが、今回はLinux上で動作する.NETのWEBアプリを開発してみます。なのでまず、Linuxに対して.NET SDKをインストールします。
Linuxへの.NET SDKのインストールは、Microsoftのサイトで公開されている手順を参考にしながら進めていきます。
1.1. SDKのインストール
まず、.NET SDKをインストールします。.NET SDKをインストールするためには、Ubuntuの端末(ターミナル)上で、以下のコマンドを実行します。
sudo apt-get update
sudo apt-get install -y dotnet-sdk-8.0
この2行のコマンドは、「&」でつないで複数行に分けて実施することもできます。しかし、慣れていない環境でいきなりトリッキーなことをする勇気な無いので、1つずつ分けて、順番にコマンドを実行しています。
このコマンドを実行することで、.NET SDKがインストールされます。
1.2. ランタイムのインストール
次に、.NETランタイム(ASP.NET Core ランタイム)のインストールです。.NETランタイムのインストールは、以下のコマンドを実行します。
sudo apt-get update
sudo apt-get install -y aspnetcore-runtime-8.0
なお、.NETランタイムは、.NET SDKにも含まれています。そのため、.NET SDKをインストールした場合には、.NETランタイムのインストールは実行不要です。
.NETランタイムのインストールは、.NETを使用したアプリを実行だけする環境で、実行する必要があります。
1.3. インストール確認
.NET SDKがインストールされたことを確認するために、以下のコマンドを実行します。
dotnet new
このコマンドを実行することで、dotnetコマンドで開発可能なプロジェクト(のためのテンプレートの)種類が端末上に表示されます。使用可能なテンプレートは、以下のコマンドで確認できます。
dotnet new list
なお私の環境では、以下のように表示されました。
テンプレート名 短い名前 言語 タグ
----------------------------------------------- -------------------------- ---------- --------------------------
API コントローラー apicontroller [C#] Web/ASP.NET
ASP.NET Core (空) web [C#],F# Web/Empty
ASP.NET Core gRPC サービス grpc [C#] Web/gRPC/API/Service
ASP.NET Core Web API webapi [C#],F# Web/Web API/API/Service
ASP.NET Core Web API (native AOT) webapiaot [C#] Web/Web API/API/Service
ASP.NET Core Web アプリ webapp,razor [C#] Web/MVC/Razor Pages
ASP.NET Core Web アプリ (Model-View-Controller) mvc [C#],F# Web/MVC
Blazor Web アプリ blazor [C#] Web/Blazor/WebAssembly
Blazor WebAssembly アプリ blazorwasm [C#] Web/Blazor/WebAssembly/PWA
dotnet gitignore ファイル gitignore,.gitignore Config
dotnet ローカル ツール マニフェスト ファイル tool-manifest Config
EditorConfig ファイル editorconfig,.editorconfig Config
global.json ファイル globaljson,global.json Config
MSBuild Directory.Build.props ファイル buildprops MSBuild/props
MSBuild Directory.Build.targets ファイル buildtargets MSBuild/props
MSTest Playwright Test Project mstest-playwright [C#] Test/MSTest/Playwright
MSTest Test Project mstest [C#],F#,VB Test/MSTest
MVC ViewImports viewimports [C#] Web/ASP.NET
MVC ViewStart viewstart [C#] Web/ASP.NET
MVC コントローラー mvccontroller [C#] Web/ASP.NET
NuGet Config nugetconfig,nuget.config Config
NUnit 3 Test Item nunit-test [C#],F#,VB Test/NUnit
NUnit 3 Test Project nunit [C#],F#,VB Test/NUnit
NUnit Playwright Test Project nunit-playwright [C#] Test/NUnit/Playwright
Razor クラス ライブラリ razorclasslib [C#] Web/Razor/Library
Razor コンポーネント razorcomponent [C#] Web/ASP.NET
Razor ビュー view [C#] Web/ASP.NET
Razor ページ page [C#] Web/ASP.NET
Web 構成 webconfig Config
xUnit Test Project xunit [C#],F#,VB Test/xUnit
クラス ライブラリ classlib [C#],F#,VB Common/Library
コンソール アプリ console [C#],F#,VB Common/Console
ソリューション ファイル sln,solution Solution
プロトコル バッファー ファイル proto Web/gRPC
ワーカー サービス worker [C#],F# Common/Worker/Web
今回は、Linux上で動作するWEBアプリを開発したいので、テンプレートには「webapp」を指定します。
dotnetコマンドによるテンプレートを使用した開発用プロジェクトの作成は、以下のコマンドで実行します。
dotnet new <template_type> -n <project_name> -o <output_directory>
ここで、template_typeには、先ほど指定したテンプレートのいずれかを指定します。project_nameは(そのままですが)、開発するプロジェクト名を指定します。最後のoutput_directoryは、プロジェクトの出力先を指定します。
今回は、project_nameにはAspNetCoreSampleを、output_directoryには、sampleWebAppを指定してみます。
実際のコマンドは、以下の通りです。
dotnet new webapp -n AspNetCoreSample -o sampleWebApp
このコマンドを実行し、「正常に復元されました」とメッセージが表示されれば、コマンドの実行完了です。
指定したプロジェクトは、コマンドを実行したディレクトリの「sampleWebApp」ディレクトリ内に出力されています。
2. NGINX(エンジンエックス)のインストール
次に、NGINXをインストールします。
.NETのWEBアプリは、NGINXをリバースプロキシとして使用します。NGINXは、(ポート番号80に対して発行された)HTTP要求を、開発する.NETアプリケーションにルーティングします。
Lixnu/UbuntuにNGINXをインストールするためには、以下のコマンドを実行します。
sudo apt install nginx
はい。コレだけです。
インストールの確認は、以下のコマンドで行います。
whereis nginx
このコマンドを実行してusrディレクトリやetcディレクトリのサブディレクトリのパスが表示されればOKです。
NGINXのインストールは、これで完了です。
3. まとめ
今回は、Linux/Ubuntuに開発環境をインストールしてみました。インストールしたのは、.NET SDKとNGINXのみです。この2つがあれば、基本的にはWEBアプリケーションの開発が可能となります。
ツールの設定や動作確認は、次回以降書いていく予定です。
ではっ!
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